フォンタン(Fontan)術を受けた患者さんへ
肝臓の定期的な検査が必要です
重症先天性心疾患の治療として、上大静脈と下大静脈の血液を、心室を経由せず肺動脈に流すフォンタン術があります(図1)。最初のフォンタン術は1968年に施行され、現在に至るまで多くの患者さんの症状改善に寄与してきました。

(SVC:上大静脈 IVC:下大静脈 pulmonary arteries 肺動脈)
しかし、2000年以降フォンタン術を受けた患者さんから、肝細胞癌が発生する症例が多数報告されるようになりました。慢性的な肝臓のうっ血が(図2)、肝線維化を促進させ(図3)、肝機能の低下や肝細胞癌を引き起こすと考えられています。

フォンタン術を受けた患者さんは小児を含めて全員、肝臓の定期的な検査が必要です。フォンタン術施行後に肝細胞癌と診断された患者さんのデータでは、フォンタン術施行後平均20年が経過していましたが、10歳代で肝細胞癌を発症した患者さんもいます。ウイルス性肝炎や脂肪肝とは異なり、トランスアミナーゼ(AST/ALT)の上昇を認めないことが多く、健康診断等で血液検査を受けても肝臓に異常はないと判断される可能性があります。もし、肝臓内科などの診察を一度も受けていない場合は、当院への受診をお勧めします。血液検査、腹部超音波検査にて有無を判断し、精査が必要な場合は専門病院への紹介を行います。

